比の基本

2023-03-09

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今回は、比の基本についてお話しします。

比とは

比とは、物事を大きさや量などで比べたときの比率のことです。

比は「A : B」という形式で表され、Aを「比の前項」と呼び、Bを「比の後項」と呼びます。

例えば、「りんごの数が2個で、みかんの数が1個の場合、りんごとみかんの個数の比」の関係性を下記のように表すことができます。

りんごの数 : みかんの数 = 2 : 1

比は、大きさが同じもの同士で比較することができます。例えば、同じ長さの線分AとBの長さを比較することができますが、長さの違う線分Aと重さの違う物体Cを比較することはできません。

比を使うことで、2つのものの大きさをわかりやすく比較することができます。例えば、体重が50kgの人と60kgの人がいるとき、60kgの人の体重が50kgの人の体重の何倍かを比で表せば、下記のようにわかりやすく表すことができます。

60kgの人の体重 : 50kgの人の体重 = 60 : 50 = 6 : 5

比の数字は囲み文字を使う

比を表すときには、通常の数字の代わりに丸や四角で囲んだ数字を使うとよいです。これは、比を表す数字が一目で分かりやすくなるためです。

たとえば、「りんごが3個につきみかんが2個ある」という状況を比で表すときには、

りんごの数 : みかんの数 = 3 : 2

となります。

ここで、3や2の代わりに、丸や四角で囲んだ数字を使うと、

りんごの数 : みかんの数 = 3 : 2

というように、比を表す数字が目立って分かりやすくなります。

また、丸や四角で囲んだ数字を使うことで、通常の数字と区別ができ、また、複数の比があった場合にどの比なのか見間違えることも減らせます。

たとえば、リンゴの数が「3」、ミカンの数が「2」、Lサイズのリンゴとミカンの比が「3 : 2」、Sサイズのリンゴとミカンの比が「8 : 5」という数字が出てきたときに、数字の区別ができないと、それが個数なのかどの比なのか見間違えてしまう可能性があります。

しかし、下記のように

リンゴの個数が3個
みかんの個数が2個
Lサイズりんご : Lサイズみかん = 3 : 2
Sサイズりんご : Sサイズみかん = 3 : 2

と書けば、何の意味の数字かまたどの比のことをいっているのかはっきりと区別できます。

したがって、比を表すときには丸や四角で囲んだ数字を使うことで、比を分かりやすく表現することができます。

また、丸や四角で囲んだ数字は比ですので、通常の数字で掛けたり、割ったりすることができます。

3 : 2 = 3 × 2 : 2 × 2 = 6 : 4
3 : 2 = 3 ÷ 2 : 2 ÷ 2 = 3/2 : 1

しかし通常の数字や別の比に足したり、引いたりすることはできません。

3 + 2 ≠ 5
3 - 2 ≠ 1
2 + 4 ≠ 6
21 ≠ 1

等比とは

等比とは、比の中で、比の両辺を同じ数でかけた(割った)ときに変化がなく、同じ比率を保っていることを指します。

例えば、「2 : 4」と「4 : 8」は等比であり、「1 : 2」と「2 : 4」も等比です。

等比は、比率が保たれていることを表すために使われます。
例えば、あるレシピで「小麦粉 : 砂糖 : バター = 2 : 1 : 1」という比があった場合、

小麦粉 : 砂糖 : バター = 2 : 1 : 1

小麦粉が2カップなら砂糖とバターはそれぞれ1カップずつで、小麦粉が4カップなら砂糖とバターはそれぞれ2カップずつ必要です。このように、等比を使うことで、必要な材料の量を計算することができます。

小麦粉 : 砂糖 : バター = 2 : 1 : 1
= 2 × 2 : 1 × 2 : 1 × 2 = 4 : 2 : 2

最も簡単な整数比

また、最も簡単な整数比を求められた場合、それぞれ項の最大公約数で割ることで求められます。

例えば、「6 : 9」の比を最も簡単な整数比で表す場合、両方の項を「6」と「9」の最大公約数である「3」で割ります。

6 : 9 = 6 ÷ 3 : 9 ÷ 3 = 2 : 3

例題1(クリックで解答解説表示)
あるクラスの生徒数は男子8人、女子12人である。このクラスの男女比を最も簡単な整数比で表せ。

解答
男子8人に対して女子12人であるため、比で表す下記のように表せます。

男子 : 女子 = 8 : 12

この比を最も簡単な整数比に変換するため、両方の項を「8」と「12」の最大公約数である「4」で割ります。

男子 : 女子 = 8 ÷ 4 : 12 ÷ 4 = 2 : 3

よって、最も簡単な整数比で表すと、男女比は2 : 3となります。

答え:2 : 3

比の値

比の値とは、2つの量や数値の比率を示す数値のことです。例えば、リンゴの値段が100円で、オレンジの値段が50円だった場合、リンゴの値段をオレンジの値段で割った数値である「2」が、リンゴの値段とオレンジの値段の比の値になります。この場合、リンゴの値段はオレンジの値段の2倍であると表現できます。

比の値は、分数や小数で表現されることが一般的です。例えば、2つの数値の比が「3 : 5」だった場合、その比の値は「3/5」となります。

比の値の計算方法

A : B の比の値は、A/Bと求められる。

例題2(クリックで解答解説表示)
5 : 7の比の値を求めよ。

解答
5 : 7の比の値は5 ÷ 7で求められます。

5 ÷ 7 = 5/7

答え: 5/7

囲み文字から通常の数字に変換

比である囲み文字から通常の数字に変換する条件は下記の通りです。

囲み文字から通常数字に変換する条件

(1) 1 = 10のように囲み文字 = 通常の数字にする。

(2) 4 ÷ 2 = 2のように囲み文字 ÷ 同じ囲み文字をする。

(2)が成り立つ理由を下記説明します。

まず、2 : 1 は比であるので両項に同じ数字をかけた場合、比は同様に成り立ちます。
一般化して表すと下記のように表せます。

2 : 1 = 2 × a : 1 × a ( aは0以外の数字) ・・・( i )

この時に2 ÷ 1を考えます。

上記式は、( i )より下記のように表せます。

2 ÷ 1 = (2 × a) ÷ (1 × a)

この時、両項にかけたaは分子にも分母にも存在するので約分して1になるため、下記のように囲み文字が無い状態と等しくなります。

2 ÷ 1 = 2 ÷ 1

よって(2) の囲み文字 ÷ 同じ囲み文字をすれば、囲み文字から通常数字に変換することができるといえます。

比は、算数・数学の様々な分野で使用されます。
日常の分かりやすい例から比のことをよく理解し活用できるようにしましょう。

ポイント

  • 通常の数字や他の比と区別をつけるために比の数字は囲み文字を使う
  • 最も簡単な整数比を求める時は、それぞれ項の最大公約数で割る
  • A : B の比の値は、A/Bと求められる。

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