年令算

2023-03-14

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今回は、年令算についてお話しします。

年令算とは

年令算とは倍数算の一種で登場人物が1年経つごとに年令が1歳増えるという特長と、比や割合の変化などから現在やもとの年令等を特定する問題です。

下記の問題を例にとって考えます。

父の年齢が現在の息子の年令の3倍で、8年前には父の年令は息子の年令の5倍でした。現在の息子の年令を求めなさい。

まず、基準となる現在の息子の年令を1とし、現在の息子と、父の年令を比で表します。

現在の息子の年令 = 1
現在の父の年令 = 1 × 3 = 3

また、8年前は父の年令は息子の年令の5倍だったので下記表せます。

8年前の息子の年令 = 1 - 8
8年前の父の年令 = 3 - 8

( 1 - 8 ) × 5 = 3 - 8
5 - 40 = 3 - 8

下記のように丸数字を左辺に、数字を右辺に整理します。

5 - 3 = 40 - 8
2 = 32

両辺に2で割ることにより、1(現在の息子の年令)を求められます。

2 ÷ 2 = 32 ÷ 2
現在の息子の年令 = 1 = 16才

例題1(クリックで解答解説表示)
ある家族には、父親と2人の息子がいます。父親の年令は現在の長男の年令の4倍で、次男の年令は長男の年令の2/3です。6年前、父親の年令は長男の年令の7倍でした。6年前の長男・次男・父の年令を求めなさい。

解答
まず、基準となる現在の長男の年令を1とし、現在の長男・次男・父の年令を比で表します。

現在の長男の年令 = 1
現在の次男の年令 = 1 × 2/3 = 2/3
現在の父の年令 = 1 × 4 = 4

また、6年前は父親の年令は長男の年令の7倍でなので下記表せます。

6年前の長男の年令 = 1 - 6
6年前の次男の年令 = 2/3 - 6
6年前の父の年令 = 4 - 6

( 1 - 6 ) × 7 = 4 - 6
7 - 42 = 4 - 6

下記のように丸数字を左辺に、数字を右辺に整理します。

7 - 4 = 42 - 6
3 = 36

両辺に3で割ることにより、1が求められます。

3 ÷ 3 = 36 ÷ 3
1 = 12

6年前の長男の年令 = 1 - 6 = 12 - 6 = 6
6年前の次男の年令 = 2/3 - 6 = 12 × 2/3 - 6 = 2
6年前の父の年令 = 4 - 6 = 12 × 4 - 6 = 42

答え:長男:6才、次男:2才、父:42才

年令算の受験問題の場合、複雑な設定の場合の問題もありますが、問題文を正確に落とし込むことで間違いなく解くことができます。

下記の問題を例にとって考えます。

現在、Aさんの年令はBさんの年令より25才年上で、Cさんの年令はBさんの年令の1/2倍です。10年後に、Bさんの年令がCさんの年令の4/3倍になります。このとき、AさんとCさんの年令の差を求めなさい。

まず、基準となる現在のBさんの年令を1とし、現在のAさん・Bさん・Cさんの年令を比で表します。

現在のAさんの年令 = 1 + 25
現在のBさんの年令 = 1
現在のCさんの年令 = 1/2

また、また求めたいAさんとCさんの年令差は下記のように表せます。

AさんとCさんの年令差 = 1 + 25 - 1/2 = 1/2 + 25 ・・・(1)

また、10年後にBさんの年令がCさんの年令の4/3倍になるので下記表せます。

10年後のBさん年令 = 1 + 10
10年後のCさん年令 = 1/2 + 10

( 1/2 + 10 ) × 4/3 = 1 + 10
2/3 + 40/3 = 1 + 10

下記のように丸数字を左辺に、数字を右辺に整理します。

1 - 2/3 = 40/3 - 10
1/3 = 10/3 ・・・(2)

(1)より求めたい「AさんとCさんの年令差」に使用されている丸数字は1/2ですので(2)×3/2をして1/2を求めます。

1/3 × 3/2 = 10/3 × 3/2
1/2 = 5

よって「AさんとCさんの年令差」が求められます。

AさんとCさんの年令差 = 1/2 + 25 = 5 + 25 = 30才

例題2(クリックで解答解説表示)
現在、Xさんの年令はYさんの年令より20才年上で、Zさんの年令はYさんの年令の4/3倍です。5年後に、Xさんの年令がZさんの年令の8/5倍になる予定です。このとき、5年後のXさん、Yさん、Zさんの年令の比を最も簡単な整数比で求めなさい。

解答
まず、基準となる現在のYさんの年令を1とし、現在のXさん・Yさん・Zさんの年令を比で表します。

現在のXさんの年令 = 1 + 20
現在のYさんの年令 = 1
現在のZさんの年令 = 4/3

また、5年後にXさんの年令がZさんの年令の8/5倍になるので下記表せます。

5年後のXさんの年令 = 1 + 25
5年後のZさんの年令 = 4/3 + 5

1 + 25 = ( 4/3 + 5) × 8/5
1 + 25 = 32/15 + 8

下記のように丸数字を左辺に、数字を右辺に整理します。

32/15 + 1 = 25 - 8
17/15 = 17

両辺に15/17をかけることにより、1が求められます。

17/15 × 15/17 = 17 × 15/17
1 = 15

よって下記5年後の各年令が求められます。

5年後のXさんの年令 = 1 + 25 = 15 + 25 = 40
5年後のYさんの年令 = 1 + 5 = 15 + 5 = 20
5年後のZさんの年令 = 4/3 + 5 = 15 × 4/3 + 5 = 20 + 5 = 25

5年後の年令比 Xさん : Yさん : Zさん = 40 : 20 : 25

最も簡単な整数比にするため40、20、15の最大公約数「5」で割ります。

5年後の年令比 Xさん : Yさん : Zさん = 40 ÷ 5 : 20 ÷ 5 : 25 ÷ 5 = 8 : 4 : 5

答え:5年後の年令比 Xさん : Yさん : Zさん = 8 : 4 : 5

受験問題に出てくる年令算は登場人物が多かったり、設定がややこしかったりする場合が多いです。

解くのに比べて時間はかからないので「それぞれの年令が求められたら、問題文にあてはめる」ことで矛盾がないか確認をしましょう。

ポイント

  • 年令算とは登場人物が1年経つごとに年令が1歳増えるという特長をもった倍数算の一種。
  • 複雑な設定の場合の問題の場合、問題文を正確に落とし込むことに注意する。
  • 年令がそれぞれ求められたら問題文にあてはめて検算をする

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