市川中学 算数 2022年度入学試験問題(第1回) 問5 規則性の思考問題の過去問解答・解説です。
問題
次のような操作を考えます。
操作 : ある数に対して、その数が10の倍数のときは10で割り、10の倍数でないときは3倍して2を加える。
この操作を繰り返し行うとき、次の問いに答えなさい。
(1)(i)1に対してこの操作を5回行ったあとの数を求めなさい。
(ii)2に対してこの操作を5回行ったあとの数を求めなさい。
(2)1から100までの数に対してこの操作を行うとき、10で割るという操作を1回も行わない数は何個ありますか。
(3)1から100までの数に対してこの操作を行うとき、10で割るという操作をちょうど1回だけ行う数は何個ありますか。
引用元:市川中学校 2022年度入学試験問題(第1回) 算数 問5
解答・解説
「1に対してこの操作を5回行ったあとの数」を下記行う。
操作回数 | はじめ | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 |
---|---|---|---|---|---|---|
値 | 1 | 5 | 17 | 53 | 161 | 485 |
よって、485
「2に対してこの操作を5回行ったあとの数」を下記行う。
操作回数 | はじめ | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 |
---|---|---|---|---|---|---|
値 | 2 | 8 | 26 | 80 | 8 | 26 |
よって、26
問(1)-(i)の結果より、1桁目に注目すると<1、3、5、7の場合>、「1→5→7→3→1」で周期するので「10で割るという操作を1回も行わない数」である。・・・(1)
問(1)-(ii)の結果より、1桁目に注目すると<0、2、6、8の場合>、「10で割るという操作を必ず1回は行う数」である。・・・(2)
残りの<1桁目が4の場合>と<1桁目が9の場合>の場合を考える。
<1桁目が4の場合>
操作回数 | はじめ | 1回 |
---|---|---|
1桁目の値 | 4 | 4 |
よって「4→4」で周期するので「10で割るという操作を1回も行わない数」である。・・・(3)
<1桁目が9の場合>
操作回数 | はじめ | 1回 |
---|---|---|
1桁目の値 | 9 | 9 |
よって「9→9」で周期するので「10で割るという操作を1回も行わない数」である。・・・(4)
(1)、(3)、(4)より「10で割るという操作を必ず1回は行う数」は<1桁目が1、3、4、5、7、9の数>であるので下記求められる。
6 × 10 = 60(個)
問(3)の結果より「10で割るという操作をちょうど1回だけ行う数」は、<1桁目が0、2、6、8の数>を考える。
<1桁目が0の場合>
ここで2桁目に注目し1桁目同様場合分けをする。
<2桁目が1、3、4、5、7、9の場合>
例) 10
最初に10で割る操作を行いその後「10で割るという操作を1回も行わない数」になるので、「10で割るという操作を必ず1回は行う数」である。
<2桁目が0、2、6、8の場合>
例) 20
最初に10で割る操作を行いその後(2)より「10で割るという操作を必ず1回は行う数」になるので、不適。
よって題意を満たす数は6個・・・(5)
<1桁目が2の場合>
ここで1桁目が2の数字は下記式で表せる。
10 × a + 2(aは0~9の整数)
この数に操作を繰り返して1桁目が0になるまでを考える。
操作回数 | はじめ | 1回 | 2回 | 3回 |
---|---|---|---|---|
値 | 10 × a + 2 | 30 × a + 8 | 90 × a + 20 + 6 | 270 × a + 80 |
ここで1桁目が0になった時( のついた値)の2桁目のみに注目すると、下記式で表せる。
7 × a + 8
aは0~9の整数なのでそれぞれのaの値の時の2桁目の数を下記書き出す。
aの値 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2桁目の数 | 8 | 5 | 2 | 9 | 6 | 3 | 0 | 7 | 4 | 1 |
ここで問(2)の結果より、<2桁目が1、3、4、5、7、9の数>の時は、最初に10で割る操作を行いその後「10で割るという操作を1回も行わない数」になるので、「10で割るという操作を必ず1回は行う数」である。
例) a = 1の時「12→38→116→350→35」となり、それ以降は、「10で割るという操作を1回も行わない数」が繰り返される。
よって題意を満たす数は表の がついている数なので6個・・・(6)
<1桁目が6の場合>
ここで1桁目が6の数字は下記式で表せる。
10 × a + 6(aは0~9の整数)
この数に操作を繰り返して1桁目が0になるまでを考える。
操作回数 | はじめ | 1回 |
---|---|---|
値 | 10 × a + 6 | 30 × a + 20 |
ここで1桁目が0になった時( のついた値)の2桁目のみに注目すると、下記式で表せる。
3 × a + 2
aは0~9の整数なのでそれぞれのaの値の時の2桁目の数を下記書き出す。
aの値 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2桁目の数 | 2 | 5 | 8 | 1 | 4 | 7 | 0 | 3 | 6 | 9 |
<1桁目が2の場合>同様なので題意を満たす数は表の がついている数なので6個・・・(7)
<1桁目が8の場合>
ここで1桁目が8の数字は下記式で表せる。
10 × a + 8(aは0~9の整数)
この数に操作を繰り返して1桁目が0になるまでを考える。
操作回数 | はじめ | 1回 | 2回 |
---|---|---|---|
値 | 10 × a + 8 | 30 × a + 20 + 6 | 90 × a + 80 |
ここで1桁目が0になった時( のついた値)の2桁目のみに注目すると、下記式で表せる。
9 × a + 8
aは0~9の整数なのでそれぞれのaの値の時の2桁目の数を下記書き出す。
aの値 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2桁目の数 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 | 9 |
<1桁目が2の場合>同様なので題意を満たす数は表の がついている数なので6個・・・(8)
(8)~(8)より「10で割るという操作をちょうど1回だけ行う数」は下記求められる。
6 + 6 + 6 + 6 = 24(個)
答え:(1)(i)485 (ii)26 (2)60個 (3)24個
ポイント
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