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今回は、連比と比例配分について説明します。
連比は、下記のように「比の項が3つ以上ある比」のことです。
A : B : C
小麦粉 : 砂糖 : バター = 2 : 1 : 1
2つの比を統合して連比にする
連比でよく出てくる問題として、2つの比を1つの連比に変形するものがあります。
その際に重要なのは、共通する比の項を探すことです。
例えば、下記問題をみてみましょう。
A君とB君の所持金は5:3です。B君とC君の所持金は2:3の時、A君とB君とC君の所持金の比をもっとも簡単な整数比で求めなさい。
まず、問題の比は下記式で表せます。
A君 : B君 = 5 : 3
B君 : C君 = 2 : 3
ここでどちらの比にもB君という共通の項があることに着目します。
A君 : B君 = 5 : 3 ・・・(1)
B君 : C君 = 2 : 3 ・・・(2)
B君の3と2が同じ数字になれば、丸数字と四角数字の別々の比を統合することができます。
よって、3と2の最小公倍数で「6」に合わせるために式(1)× 2および式(2)× 3をします。
A君 : B君 = 5 × 2 : 3 × 2 = 10 : 6
B君 : C君 = 2 × 3 : 3 × 3 = 6 : 9
6と6が同じ数になったため下記別々の比が統合できます。
A君 : B君 : C君 = 10 : 6 : 9
A社とB社の従業員数の比は6:7である。A社とC社の従業員数の比は3:5であるとき、A社とB社とC社の従業員数の比を最も簡単な整数比で求めなさい。
解答
まず、問題の比は下記式で表せます。
A社 : B社 = 6 : 7 ・・・(1)
A社 : C社 = 3 : 5 ・・・(2)
ここでどちらの比にもA社という共通の項があることに着目します。
よって、6と3の最小公倍数である「6」に合わせるために式(2)× 2をします。
A社 : B社 = 6 : 7
A社 : C社 = 3 × 2 : 5 × 2 = 6 : 10
6と6が同じ数になったため下記別々の比が統合できます。
答え:A社 : B社 : C社 = 6: 7 : 10
比例配分とは
比例配分とは、あるものを一定の割合で分けることです。
例えば、下記問題を見てみましょう。
おやつのクッキーが24枚用意されていました。兄と姉と自分で5:4:3で分ける場合、それぞれ何枚のクッキーをもらえるか答えなさい。
まず、問題の比は下記式で表せます。
兄 : 姉 : 自分 = 5 : 4 : 3
この時に全クッキー24枚は丸数字で下記のように表せます。
全クッキー = 5 + 4 + 3 = 12 = 24
さらに12で割ることにより、1を求めることができます。
12 ÷ 12 = 24 ÷ 12
1 = 2
よって下記の通りそれぞれの比が何枚のクッキーにあたるか求められます。
兄 = 5 = 1 × 5 = 2 × 5 = 10
姉 = 4 = 1 × 4= 2 × 4 = 8
自分 = 3 = 1 × 3 = 2 × 3 = 6
兄10枚、姉8枚、自分6枚
あるクラスには50個のリンゴがあります。このリンゴを、A君・B君・C君の3人で5:3:2で分けることにしました。C君がもらえるリンゴの数を答えなさい。
解答
まず、問題の比は下記式で表せます。
A君 : B君 : C君 = 5 : 3 : 2
この時に全リンゴ50個は丸数字で下記のように表せます。
全リンゴ = 5 + 3 + 2 = 10 = 50
10で割ることにより、1を求めることができます。
10 ÷ 10 = 50 ÷ 10
1 = 5
よって下記の通りC君が何個のリンゴをもらえるか求められます。
C君 = 2 = 1 × 2 = 5 × 2 = 10
答え:10個
比の問題(連比や比例配分では特に)では、1 の値を求めることで、答えを導くパターンがよくあります。
複雑な文章や比の組み合わせであっても、「1 の値を求めるにはどうしたらよいか?」を考えると簡単に整理できる場合がありますので、感覚を身につけましょう。